冬対策のための電気工事

2024-11-06

先のブログのとおり、11月は集客の大きな谷間のひとつでもあります。そして実際、10月下旬になっても11月の予約が全く入らない状態が続いていました。

そんな状況にさらに追い打ちをかけているひとつの要因はこれでしょう。

地域の観光スポットの中でも1,2を争う人気の旭山動物園の休園。動物園サイドとしてもこの閑散期を狙った休園なんでしょうか?

何にせよ、11月の予約が全く入らない状況が続いていたため、このタイミングでやるべきことを片付けようと判断しました。それが電気系統の刷新です。

既存の契約

住居にせよオフィスにせよ、電気を使う場所には1契約ごとに電気メーターがついているのは皆さんご存知でしょう。それぞれの契約ごとに電気メーターが設置されています。

私の民泊の部屋の契約は30Aです。この部屋はもともとワンルールだった両隣の部屋をニコイチにすることにより3LDKに生まれ変わっていました。ただ、電気系統は昔のままで契約も20Aでした。

昭和の木造アパートのワンルームなら20Aでも問題なかったでしょう。しかし令和の今の時代、IHコンロ、エアコン、電子レンジ、そしてPC等々でワンルームでさえギリギリの状態です。さすがに20Aでは心許ないとして開業前に30Aに変更しておきました。

夏はこれでも足りると判断、実際に足りていましたが、冬には複数の暖房器具を使う可能性もあることからこの閑散期を利用して上限を上げる工事を行うことにしました。

電力会社との契約

最近の新電力会社の一部では別の形態を取っていることもありますが、多くの場合、電流で判断する「A(アンペア)」という契約になっています。一般家庭の場合は40A~60A、古いワンルームなどでは20A~30Aが多いかと思います。

義務教育のときに習ったはずですが

電流(A)=電力(W)÷電圧(V)

電力(W)=電圧(V)x電流(A)

一部のエアコン用途等を除きコンセントから得られる電圧は100Vです。契約が20Aの場合、100Vx20A=2000Wまで使えることになります。超単純計算ですが、例えば1000Wのドライヤーの場合、1000W÷100V=10Aの電流が流れることになりますので2台までしか同時に使えません。

ちなみにエアコンでは22kW~25kW(22000W~25000kW)なんて表示されているものを設置していると思いますが、エアコンの表記は出力であって消費電力ではありません。エアコンは大きな出力を小さな電力で発生させている非常に効率のいいシステムです。

話しが脱線しましたが、とにかく契約によって同時に使える電力(電流)の最大値は決まっており、それを超えるとブレーカーが落ちてしまいます。ちなみに、部屋単位でも小さなブレーカーがついているので1部屋だけで大きな電流が流れてもブレーカーが落ちます。

単相2線式と3線式

私は今回、現行の30Aから40A以上に変更しようとしています。しかし「30Aまで」と「40A以上」、ここには大きな壁があるのです。それはインフラの違い、単相2線式と単相3線式の違いです。その説明は東京電力のサイトに譲ります。

「単相3線式」と「単相2線式」の違いって?

要するに単相2線式の上限はどう逆立ちしても30Aなのです。単相2線式は一般的な電気メーターよりもかなり小さいので見た目でもわかりやすいです。

40A以上にしたい場合は、一戸建ての場合は電柱からその家庭への引込線、マンションの場合はマンションに引き込まれた大元から各部屋の配線を単相2線式から担当3線式にする必要があります。

私の場合、マンションの1室ですので部屋までの配線を刷新する必要があります。実は以前に内見した別の部屋はオール電化にリノベーションされていたため最初から電気系統も刷新されていました。しかし、オール電化は給湯の問題から民泊には向かなかったためあえて別の部屋を契約したのです。その部屋は以前のまま暖房が灯油、給湯がガスだったことが決め手のひとつだったのですが、その際に古い電気系統(単相2線式)だったことに気づいていなかったのです。

インフラですので本来であればオーナー様負担で工事してもらえる可能性もあったでしょう。部屋の契約のタイミングでこの問題に気づいていれば、契約交渉の際に工事を打診することもできたと思われます。しかし、契約の時点でそこまで気が回っていませんでした。ということで今回はオーナー様の許諾を得た上で100%こちらの費用負担で工事を行うことにしました。

工事は11月中旬までを予定しています。これで以前から心配していたこれからの季節に起こるだろう「ブレーカーが頻繁に落ちる、どうしてくれる!」等のクレームを受けずに済みそうです。

ブログ民泊

Posted by hinoeuma_1966