
先日来、取り上げてきた民泊転用のための賃貸物件ですが、このたび無事に契約が完了しました。

ここに至るまでに既にそこそこの資金を投下しましたので今回はそのことに関して触れたいと思います。
民泊開業までのステップ
お金の話をする前に、民泊を「遵法」で始めるために必要なステップを簡単に明記しておきます。
- 物件の選定
- 許可申請・届出
- リノベーション、必要な設備・什器の手配
- 料金設定、規約等の作成
- 民泊サイトへの登録
- 運用開始
今回、私が契約した物件は遠隔地であり地の利どころか土地勘すらありません。そのため、上記2~6までは地元の宿泊施設運用代行者に丸投げします。
仮に自分の目と手が届くところで開業するにしても民泊運用のためにはそれなりのノウハウが必要でしょう。経費削減のために極力自主管理したいという人もいるでしょうが私は真逆の発想。例え近い物件であってもお金を払って専門業者に依頼します。
物件契約に伴う費用
まずは上記のステップだと1の部分。
不動産の賃貸借でも事業用物件の場合は家賃に消費税が発生します(逆に言えば居住用の家賃は非課税)。また、事業用の場合には敷金を多めに要求されることもしばしば。事業用の借家人賠償責任保険(火災保険)も必要ですし最近では当然のように家賃保証会社の加入を求められますのでその保証料も必要となります。
計算を簡易的に行うため、ここではそのものズバリではなくキリのいい数字である「家賃10万円・税込11万円」を使ってイメージで表現させていただきます。
初月の日割り(例として半月分)+翌月分家賃 | 165,000円 |
敷金(税抜き3ヶ月分) | 300,000円 |
仲介手数料(税込み家賃1ヶ月分) | 110,000円 |
保証会社保証料(税込み家賃1ヶ月分) | 110,000円 |
火災保険(民泊保険:現時点ではまだ未加入のため概算) | 35,000円 |
合計 | 720,000円 |
そこそこの初期費用がかかりますし家賃は今後毎月、そして火災保険や保証料は毎年のように発生します。ただし、それとて物件を購入・保有するよりは劇的に安いです。また、物件を購入・保有する際には、そのままでは使えない状態のものが多いでしょうからリノベーションも必要となります。状態にもよりますが100万円単位での出費は確実でしょう。
考え方は人ぞれぞれですが、私は10年以上不動産賃貸業を営んできた経験を踏まえ
「今後は極力資産を持たずに利益を出す」
ことに注力しています。その発想からも保有ではなく賃貸を選んでいます。
宿泊施設運営代行者との契約に伴う初期費用
上記ステップ2~6の部分です。
これはどの業者と契約するかによってもかなりの差が出ると思われます。今回のケースにおいては、まずは私自分で情報収集、調査を行い複数社をピックアップ。その後、何回かのやり取りを経て「こことなら信頼を築けそう」と感じられるところ1社に絞り、そこから物件の打診を行っていました。なので決して最安というわけではありません。
ちなみにこちらの数字も多少ぼやかしています。
消防法対応関連費用 | 1,000,000円 |
民泊届出申請代行費用 | 100,000円 |
リスティング作成費用 | 200,000円 |
業務管理費用 | 200,000円 |
家具家電備品費用 | 1,600,000円 |
合計 | 3,400,000円 |
かなりの出費です。これは賃貸・保有に関係なく発生する費用です。物件が大きければ大きいほど家具家電備品は高くなります。
補助金の活用
民泊開業に関しては「事業再構築補助金」を活用できる可能性があります。この補助金が活用できれば100万円単位のリターンが見込めますし、実際過去には民泊開業で採択された事例も複数存在しています。しかしながら、今回の私のケースでは最初から補助金活用を諦めていました。その最大の理由は「タイミングが合わないから」。
ほとんど(全て?)の補助金の場合、まずは先に申請して採択されてから以降でないと契約や物品購入ができません。先に契約や購入してしまったものは全て対象外となってしまうのです。しかし、現実問題として物件の目処も立っていない状態では何の見積りも作れないため、補助金の申請資料の作成がとても難しくなってしまいます。事前に物件を保有、または賃貸借契約を済ませておき物件を確保、その後に補助金の申請を行い採択されてから動けば何の問題もないのですが、その場合には採択されるまで部屋には空気を埋めておくことしかできません。また、補助金を使うと一定期間(一般的には5年)、同じ事業を継続しておく必要があります。
特に賃貸物件を活用した民泊転用にあたってはタイミングがとても重要であることから、私は最初からこの補助金はないものとして動いていました。
物件と宿泊施設運営代行者との契約が終わったので、これからしばらくは宿泊施設運営代行者のターンとなります。