宿泊税の問題を首長及び議会に陳情

先日来、旭川市役所及び北海道庁に「宿泊税導入に伴う公平性の担保」を問い合わせ続けています。

どちらからもレスポンスはありました。ただ、いかにも官僚的な、質問に対して真正面からの回答をあえて避けたようなピントをずらした回答に終始。そのズレを突っ込みあえて核心を突く質問にしたところ、どちらかも3週間連絡が来なくなってしまいました。

徴税される側からの質問を無視するのは行政としてあるまじき行為と判断し、別の手段を講じることにしました。それは「陳情」。

陳情は道も市も(国も)認めている正規の手段です。そこで両議会のみならず首長宛にも陳情のドラフトをメールで送ってみました。最終的には紙での提出を求められるかと思うのですが、まずはサクッと。

ザックリとした内容は問題点の指摘と求める対策。

宿泊税導入の問題点

1.観光誘致施策と宿泊税の政策整合性に関する重大な矛盾

これまで旭川市(北海道)は、一般財源を用いた観光誘致施策により観光客数の拡大を図ってきた結果、一定の経済効果を生みつつもオーバーツーリズムや観光公害といった負の影響も顕在化。
この状況において、観光公害対策を宿泊税で賄うという現行方針は、以下の点で政策目的の齟齬を生む構造的な問題を抱えている。

誘致した観光客の増大が追加課税の根拠となる自己循環構造

一般財源で誘致し観光客が増えれば公害対策費も増加しそれを理由に宿泊税収も増加する。これは「誘致 → 公害発生 → 目的税強化」という自己循環型の財政構造を固定化するものであることから行政内部で検証すべき政策整合性の問題。

誘致施策の成果と財源措置の不一致

経済効果として得られる法人税・住民税等を対策費として十分に活用せず、宿泊客にさらなる追加負担を求めるのは、一般財源の投入目的・成果の扱いが不明確であることを示している。

正規事業者のみが負担する現状の税制上の不公平性と不法施設への取締り強化の必要性

宿泊税は旅館業法に基づき適法に営業する正規事業者にのみ課されるが現状では不法民泊等の無許可施設が依然存在し、宿泊税の完全な徴収が制度設計上そもそも担保されていない。

正規業者の負担増と競争環境の不均衡

違法施設は宿泊税を転嫁せず低価格で営業でき正規業者が不利な立場に置かれることは明白。

制度全体の信頼性の毀損

「法令遵守者のみが課税される」状況は税の公平性を根本から揺るがし目的税としての正当性すら損なう事態である。

対策として求めること

宿泊税導入までに

  • 一般財源の観光予算を「量的誘致」から「質的向上」へ転換する明確な計画を策定
    • 観光客数拡大を抑制する具体的指針
    • 誘致施策と宿泊税の役割分担を説明する政策文書の公表
  • 不法施設の網羅的調査・摘発体制の構築
    • 警察・保健所等との一元的な連携強化
    • 通報窓口の統一と、市民・事業者が利用しやすい仕組みの整備
    • 摘発件数や行政指導件数の定期公開

簡単に言うと

  • 観光振興予算によって観光客を誘致すればするほど観光公害も大きくなり結果として宿泊税が増税され続けるマッチポンプ。ならば観光予算を絞って量から質へ転換、いずれは宿泊税を廃止すべき
  • 宿泊税は正規事業者を狙い撃ちした増税であり税の公平性が担保されていない。増税するのであれば脱税となる不法業者の徹底排除(できるできないは別として目指すは0)は行政としての責務

こんな感じです。

議会からの反応

早速、旭川市議会事務局(?的なところ)から電話がありました。趣旨は

  • 陳情だと時間がかかるものの採択されるかどうかもわからない(私の認識ではほぼ採択されない)
  • 「要望」という形であれば議会での議論はされないが情報は全議員にすぐに伝わる。しかも要望ならこのメールだけで完了

ということで旭川市議会に対しては要望で済ませました。

果たして道議会からは反応があるのか?さらに市長、道長からは?(これはさすがにないと思う)

単なる自己満足ではありますが、増税されるだけで脱税は見逃すなんてことは1ミリも看過できないのでやれることはやっておきます。

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