
私は今までにいくつかの国家資格を取得してきました。古くは中学生時代に取得したアマチュア無線技士。ただ、これはその名からもわかるようにアマチュアですのであくまでも趣味の範囲。プロ用の国家資格となると車・バイクの免許を除くとだいぶ大人になってから(45歳過ぎ)
- 第二種電気工事士
- 工事担任者 AI・DD総合種
- 第1種・第2種消防設備点検資格者
これらの国家資格を取得しました。

これらの資格は決して必須だから取ったわけでもなく全て「あれば便利かも?」という程度の軽い気持ちで取得したもの。私は2010年に不動産賃貸業(要するに大家)等で起業したので、これらの資格があれば作業の一部を外注することなく自分でできるのではないか?できないにしても専門知識があるとないとではだいぶ違うのではないか?という思いからでした。
これらの中で実際に仕事に繋がったのは「消防設備点検資格者」です。
消防設備点検資格者(第1種・第2種)
消防設備点検資格者とは
消防設備点検資格者は、人命に関わる一定の対象物の消防用設備を点検し定期的に消防機関への報告を行う専門家です。
消防用設備等及び特殊消防用設備等がいざというときにその機能を充分に発揮するためには、設備を「正しく設置」することのほかに設置後の「適正な維持管理」が必要で、過去の火災事例をみても如実にその重要性を物語っています。
https://www.fesc.or.jp/jukou/setsubi/index.html
そこで、消防用設備等の維持管理の徹底を図るため、定期点検が義務づけられるとともに、その結果を消防機関に報告することとなっております。なかでも、特に人命危険度の高い一定の防火対象物に設置されている消防用設備等については、消防設備士又は消防設備点検資格者に点検させなければなりません。
消防用設備等の点検は非常に高度で専門的な知識と技術を必要とします。安全センターは、消防法施行規則第31条の7の規定に基づく登録講習機関として同規則第31条の6及びこれに基づく消防庁告示の定めるところにより、第1種(主として機械系統の設備)、第2種(主として電気系統の設備)及び特種(特殊消防用設備等)の消防設備点検資格者講習を全国各地で実施し、修了考査合格者には第1種、第2種及び特種の「消防設備点検資格者免状」を交付しています。
さらに、消防用設備等は、技術的にも法制的にも逐次変化し、改正されるので、これらの変化や改正に対応した最新の知識を得るために消防設備点検資格者には5年ごとに再講習を受講することが義務づけられています。
一定規模以上の建物には年に2回の消防設備点検が法律によって義務付けられています。その検査対象は山ほどあるのですが、実際には需要に対して供給が追いつかない状態が長く続いていることからこの資格が生まれたという背景もあり今後も需要が強い資格のひとつです。
消防設備士との違い
似たような資格として「消防設備士」という資格が古くからあります。大きな違いは
- 消防設備点検資格者:点検のみ
- 消防設備士:点検・整備(・工事)ができる
消防設備士であれば整備や工事もできるのですが、こちらの資格取得のためには国家試験に合格しなければなりません。また、検査対象物ごとに資格が異なるために種類が複数あり、実際に点検・整備・工事ができるのは資格取得した設備のみです。

(一般社団法人消防試験センターのサイトから抜粋)
それぞれの種類の国家試験にひとつひとつ合格しなければなりません。その国家試験は年に2~5回(自治体によって異なる)しかないため、コンプリートするには最低でも数年かかるでしょう。
対して、消防設備点検資格者は第1種(主として機械系統の設備)、第2種(主として電気系統の設備、さらに特種(特殊消防用設備等)の3種類だけ。実際には第1種・第2種の2つだけでほとんどの設備の点検が可能です。

(一般社団法人日本消防設備安全センターのサイトから抜粋)
この2つの資格取得のために必要な時間は最短だと2週間です。
消防設備点検資格者になるには
第1種、第2種消防設備点検資格者になるためには登録機関の講習を受けて修了考査(試験)に合格する必要があるのですが、逆に言えば事前の試験勉強が一切必要なくこの講習を受けて試験に合格すればいいだけなので需要の高い重要な資格の割には取得のハードルはかなり低いと感じます。
ただし、この講習を受けるための受験資格が設定されています。誰もが今すぐに講習に申し込みできるわけではなく、事前に指定されているいくつかの資格のひとつを保有していなければならない、ここがひとつの大きなハードルでしょう。なので何も持っていない場合は、まずは比較的簡単な消防設備士乙6や乙7を取得して下さい。
実際の講習は第1種・第2種ともに3日間フルに拘束され、そのうち2.5日は完全な座学です。そして最後に試験がありそこで規定の点数以上を取って合格しなければなりません。合格率による足切りはなく規定の点数以上を取れば全員合格です。
だいぶ大人になってからの2.5日の座学はかなりしんどいのですが居眠りしていたらまず合格はできないでしょう。と言うのもそれぞれの授業で講師から「はい、ここ出るかも知れないのでチェックしておいて下さ~い」と指示されるのです。実際の試験問題はこのチェックしておいた中からしか出ないと言っても過言ではないでしょう。ただ、そのチェック項目が山ほどあるのです。教材にマーカーを入れただけではどこに何が書かれているかを見つけることすらできないので合格することはかなり難しいでしょう。限られた試験時間内に全ての問題を解くためには、授業をしっかり聞いて教材に細かくわかりやすい付箋をつけていくこと、これが合格の肝です。逆に上手く付箋を貼れれば「誰でも」合格できると思います。


私は、章ごとに付箋の色を変え、さらにそこにキャッチーなタイトルを付けておきました。これによって回答を見つける時間がかなり短縮できたと思います。
第1種と第2種の講習は2週間連続で開催されていることが多いと思います。50歳近くでのこの苦行は体力的にも精神的にもかなり厳しいものでしたが、だからこそ一発で合格しておいてよかったです。一度取得してしまえば、あとは5年に一度の更新だけでずっと資格を保有し続けられます。
この資格があれば、就職やアルバイトにかなり有利となるでしょう。実際、私も資格取得後、ギグワーク的に働ける職場でのアルバイトがすぐに決まり約1年ぐらい副業として従事していました。
国家試験のように何ヶ月も前からみっちり勉強して試験当日のワンチャンに賭ける、でも落ちたらまた何ヶ月後かの試験に向けてもう一度1から勉強、、、そんなことをする必要がなく事前知識なしに付箋のセンスだけで合格できるのでかなり取得しやすい資格だと思います。
電気工事士
電気工事士とは
電気工事士は第1種と第2種があります。第2種電気工事士は、経済産業省が試験を実施する国家資格で、一般用電気工作物(低圧600V以下で受電している電気設備、簡単に言うと各家庭のコンセントの裏側・壁の内側の電気設備)の工事に従事することができます。逆に言うと無資格の人はコンセントよりも外側(室内側)の作業しかできません。
第2種電気工事士も比較的簡単に取得できる国家資格のひとつです。第1種電気工事士となるとそれなりの難易度となりますが、そこまでの資格が必要な仕事に従事する人はあまり多くないでしょう。逆に第2種電気工事士に従事するような仕事はたくさんあります。ただ、その仕事に従事したことはないので実際のところはよくわかりません。噂ではブラックな職場も多数あるようですので就業する際にはしっかり吟味して下さい。
第2種電気工事士の試験
試験は年に2回、全国で行われています。特徴的なのは筆記試験だけではなく実技試験もあるところです。まずは筆記試験が行われ、その合格者のみ後日実技試験が行われます。実技試験も合格して初めて資格取得です。実技試験は事前にいくつかの例題が示されており試験ではその中のひとつが出題されますので、例題を事前に何度もこなしていれば本番でも問題なく対処できるでしょう。
ちなみに私は、不動産業としてリフォーム・リノベーションの際に自分で作業をすることもあるかと思ってこの資格を取得していたため、上記の消防設備点検資格者の受験資格も満たすことができました。
実際に電気工事士としての仕事には一切携わっていないどころか探すことすらしたことがありませんが、有資格者であることから自宅のモニタ付きインターホンの交換、浴室の換気扇の交換等を自分で行っています。
工事担任者
工事担任者は、通信設備の工事や監督を行う際に必要となる資格です。この資格もいくつかのカテゴリにわかれていますが、最上位(難関)の資格がAI・DD総合種(当時の名称)です。
私はこの資格を一発で取りましたが、その目的は「自分の知識を証明するため」でした。個人事業主、及び一人法人の代表者として単に客観的に知識や能力の証明ができる何かが欲しかっただけです。そのため資格取得しただけでその後何もしていませんしする気もありません。
正直、仕事に直結するのかは?です。というのも、この資格を持っていないとできない作業というものがないのです。工事監督として現場に一人必要なだけで作業員全員が持っている必要もないことから、それほど需要のある資格なのか?正直疑問です。
宅建士
不動産に携わるものとしてある意味「持ってて当然」と思われるこの資格。私は過去に2年連続で2回ほどチャレンジしたのですが、どちらも2、3点足りずに不合格となり、以降、この資格には向き合っていません。
もっと真面目に受験勉強をしていれば合格できたと思います。ただ、不動産の賃貸・売買の「仲介」をするためには必要な資格なのですが、大家として事業を営むに当たっては要らない資格なのです。必要のない資格であることからモチベーションがどうしても上がらず、特に理解しずらい「民法」で睡魔に勝てずに、、、。年々、問題が難しくなっている中、あのときに合格できなかったのは痛いです。
私は今後も仲介業務をする予定はないため、もはやチャレンジすることはないと思います。
これらに資格取得に向けて私は全てアマゾンで購入した参考書1冊とネットから拾える過去問で対応してきました。その気になればそれだけでも十分対応できます(宅建には落ちていますが)。逆に通信講座などに入ってやった気になってもモチベーションを上げて勉強に集中しなければ時間とお金が無駄になるだけでしょう。