保有している唯一の国の登録制度が廃止?

2021年3月9日

先日、一通のメールが飛んできました。送信元は「賃貸不動産経営管理士協議会」、その内容は

「賃貸住宅管理業者登録制度」の廃止について

不動産業として唯一の国家資格登録制度が廃止

私は個人事業主として大家、そして法人として不動産賃貸管理業を営んでいますが、個人・法人ともに宅建業は持っていません。そもそも「自分の保有する物件を賃貸物件に」だけなら宅建業は不要なのです。さらに第三者が保有する物件の仲介や売買も行わず「管理だけ」であっても宅建業は不要です。よって、私に宅建業はないものの、不法行為は一切していません。

ただ、だからと言って不動産業として何もアピールできるものがないのも寂しい、社会的な信用は必要だろう、という思いから、不動産を取り扱う業者としての専門性を対外的にアピールするためだけに、この登録制度を有効活用してきました。

ただ、今までの制度は登録だけで書類に問題がなければ誰でも通ってしまうだけでなく、制度そのものも正直穴だらけ、ガバガバ、ザルでした。制度制定時の目的が達成できていない現状を見直しすることは以前から伝えられており、今回その連絡がやってきたということです。

その内容はこちらのリンクに記載されています。

現行の賃貸住宅管理業登録制度(大臣告示)の廃止について
~告示制度の新規登録申請の受付停止と告示制度登録業者への特例措置~

https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00011.html

これを読む限り、制度そのものがなくなるわけではなく「運用方法の変更」と受け止めます。

「現行の」制度は廃止

廃止されるのはあくまでも現行のザル制度。先のリンクによれば

令和3年2月15日に「現行の大臣告示に基づく賃貸住宅管理業登録制度(以下、「告示制度」という。)」を廃止する告示が公布され、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、「新法」という。)」の施行日(6月中旬予定)をもって廃止されます。この中で、国土交通省における新法に基づく登録受付体制へのスムーズな移行のため、告示制度に基づく新規登録申請の受付を3月1日から停止します。また、告示制度に登録している事業者が新法に基づく登録を受けるにあたっての特例措置を設けます。

●告示制度に基づく新規登録申請の受付停止
本年6月施行予定の新法に基づく登録受付について、法施行の3か月前(令和3年3月)までには、国土交通省において、現行の大臣告示に基づく登録制度の新規登録業務を全て完了し、新法に基づく登録受付の準備体制に移行しておく必要があるため、令和3年3月1日をもって、告示制度に基づく新規登録申請の受付を停止します。
※告示制度の登録事業者の登録内容の「変更、更新」等については、本年6月施行予定の法施行日まで従前通り取扱うこととします。

●大臣告示に基づく登録事業者が新法に基づく登録を受けるにあたっての特例措置
・新法に基づく登録に際し、一定期間、現行の大臣告示制度に基づき適正な運用を行ってきた実績等を有する事業者に配慮することとし、事業者登録番号における更新回数を+1して登録を行うこととします。
・上記の特例措置の対象事業者は、新法成立(令和2年6月)までに大臣告示に基づく登録を受けた事業者とします。

  • 今までは告示制度であったが新しい法律ができた
  • 6月中旬施行予定の新法により現行制度は廃止
  • 現行制度による登録は3月1日で停止(変更、更新は可能)
  • 新法による登録に際しては現行制度での実績に配慮し登録番号の更新回数を+1とする

私の法人の場合、更新回数は「2」、少なくても5年以上継続して業を営んでいるという証明でした。それが今回の新法により勝手に「3」になることに果たしてどんな意味のあることなのか?正直疑問ですが、、、見た目での箔がつくと受け止めます。

新法の狙い

消費者庁経由でこのような資料が発表されていました。

賃貸住宅管理業者登録制度の概要

当初の登録制度の目的・効果

①一定の業務上のルールを定めることにより、登録業者による業務の適正な運営を確保する

②登録制度の普及により、消費者が適正な管理業務を行っている管理業者や賃貸住宅を選択することを可能にする

③適正な管理業務のルールの普及により、賃貸住宅管理業の健全な発達を図る

現実問題

①登録が管理業務の運営の適正さを示す一定の目安にはなっている一方で、準則の遵守状況は十分とは言い難くさらなる徹底が必要

② 登録制度の貸主・借主の認知度が低く、管理業者・賃貸住宅選択の材料となっていない。それでも、登録制度への登録有無には潜在的な関心が存在している

③登録業者は着実に増加しているが一部業者に留まる。管理に関する苦情・相談件数は依然高水準。サブリースをめぐるトラブルも報道

https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/block_meeting/kanto/pdf15/index3_br_kanto_0024.pdf

こんな提言も受けての新法成立、その目的はこう書かれています。

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、社会経済情勢の変化に伴い国民の生活の基盤としての賃貸住宅の役割の重要性が増大していることに鑑み、賃貸住宅の入居者の居住の安定の確保及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の公正かつ円滑な実施を図るため、賃貸住宅管理業を営む者に係る登録制度を設け、その業務の適正な運営を確保するとともに、特定賃貸借契約の適正化のための措置等を講ずることにより、良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図り、もって国民生活の安定向上及び国民経済の発展に寄与することを目的とする。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=502AC0000000060_20210618_000000000000000

ここではふわっと書かれていますが、今回法整備を行った一番の狙いは

サブリース業者対策

でしょう。

一棟まるっと借り上げ「長期間に渡って家賃を保証する」と見せかけておきながら実は、、、という

悪どいビジネスモデルを行う業者を排除すること

これが一番の目的であることは容易に想像できます。いたちごっこになるのは明白ですが、それでも何も対策しないよりしたほうがいいのは当然です。

新法による登録対象業者

新法をざっくり解釈すれば

  • サブリースを行う
  • 200戸以上を管理している

このどちらかに当てはまる場合は登録必須のようです。詳細はご自身でご確認下さい。

逆に私のような弱小個人事業主が保有している数戸だけの物件を管理しているだけ、サブリースも行っていない法人は

対象外

ただ、対象外の業者が登録できないわけではありません。既に登録していますし、その登録の目的が【対外アピール】である以上、これをきっかけに止める理由は一切ありません。ということで、新法制度下でも当然登録します。