ウーバーイーツ配達中の事故の結末

2月頭の交通事故により、図らずも私自身が「業務にも適用されるバイクの任意保険」の人柱となってしまいました。そしてこのたび、無事に最終決着に達しましたので、その経緯と結果を以下に報告します。

事故の状況

2月頭の19時ごろ、環七の交差点で事故に遭った私。私は一方通行の出口からバイクで直進、相手のタクシーは右折です。

↑↑↑これが事故直後。私はタクシーのバンパーを右足で蹴飛ばしバイクの左側に飛び降りました、たぶん(一部の記憶は飛んでいます)。

この写真はその直後の運転手の行動ですが、電話をしていますね。しかし、この電話の相手はなんと自分のタクシー会社!事故を起こした運転手は被害者救済が最優先であり、その次にやることは「二次災害を防ぐこと」と「警察」への通報。そもそもぶつけられたことに怒り心頭の私でしたが、この行為によりさらに私の怒りに火に油が注がれ

「とっとと警察に連絡しろやっ!ボケェ!」

と怒鳴ってしまいました。

バイクはタクシーのバンバーの下に挟まっていましたが、このままでは邪魔であることから強引に引きずり出し歩道まで押して移動させました。対してタクシーは反対側の路肩へ。あとは寒空の下、警察が来るのを待つだけ。

覚悟を持ってウーバーイーツの運営に連絡

このとき私はウーバーイーツの配達中(料理のピックアップ後)であり、注文者の料理が手元にありました。配達中でなければ「プライベートでの事故」としてウーバーイーツ側に内緒で済ますこともできたのですが、配達中となるとそうもいきません。

実際には通報せずにシレッとキャンセルすることも可能なのですが、それは「料理を盗む」に等しい行為なので私は絶対にやりません。

仕方なくウーバーイーツに事故を報告し注文のキャンセルを依頼しました。この通報により即時

交通事故=アカウント停止

という大きなリスクを抱えることになりました。この時点での垢停は一時的なもの、垢停解除の対応はあとで考えるとして、まずはこの事故現場をしっかり収めることに注力しました。

警察の実況見分

私とタクシーの運転手が別々に現場に立ち会い警察の質問に答えていきました。まずは私から。

  • 私は一方通行の出口で信号待ちの先頭にいた
  • 青信号で直進した
  • 車線の真ん中あたりを走っていた
  • 青信号で発進した直後だったのでそれほどスピードは出ていなかった
  • タクシーがこちらに躊躇なく突っ込んできたので左に避けたが逃げ切れないと判断し飛び降りた

ぶつかった場所にはプラスチックの破片なども散乱していたので説明は簡単でした。

私にあとに今度はタクシーの運転手が立ち会いに。その間、私は真冬の夜の下、ずっと待ち続けるしかありませんでした。30分以上はかかったでしょうか?やっと一通りの作業が終わりました。

そのあと、警察官から聞いた話しによれば

  • タクシーの運転手は、タクシーの前を走っていたバイクが右折したのでそれに続いた(バイクは速いのでスーッと抜けていったと思われる)
  • 私の存在に全く気づかないまま進み私に突っ込んできた

と供述していたそうです。

そして最後に警察から「事故の扱いはどうしますか?」と聞かれたので

当然、人身です!(キリッ)

人身の対義語は「物損」。物損の場合は治療費や慰謝料などが出ないため、体に異変があれば、なくても不安があれば必ず人身にして下さい。

人身と伝えたところ、次に「救急車を呼びますか?」と聞かれました。事故直後は感覚が麻痺しており、痛みを感じないことも多いと言われています。とりあえずその時点での私の体は普通に動き出血もなし。いくつかの小さな痛みがあるだけだったので「勝手に帰ります」としました。

この日はそれで終わり。警察の連絡先等は教えられましたが、書類にサイン等は一切ありませんでした。

任意保険の弁護士特約を利用

入っててよかった「業務にも適用可能な任意保険(+弁護士特約)」。

最初こそ保険の代理店であるバイク屋の社長に対応してもらっていました。相手となるタクシー会社の多くは互助組織である「共済制度」で事故対応しており、このタクシー会社もそうなっていました。しかし、これが厄介な交渉相手であるとの噂です。

共済という制度からもわかるように、できるだけ支出を抑える交渉をしてくるという噂です。交渉の専門家と相対するため、こちらも専門家を活用すべく「弁護士特約」を利用することにしました。そもそもお金を払って特約に入っているのに使わない手はありません。

私の被った損害

怪我

出血こそないものの体のあちこちに痛みがありました。特に左肩と腰。この治療に関して事前に弁護士に相談したところ「医者の言う通りに対応して下さい」とのこと。そこでまずは交通事故にも対応可、かつ通いやすい近所の整形外科を探し、事前に問合せた上で診察してもらいました。

最初にレントゲンを撮ってもらったところ骨には異常なし。腰は背骨の一部の隙間が詰まっており(加齢?)、何らかの要因によって痛みが出やすいからだろうとのこと。そして肩のほうが筋肉系のダメージだろうとのことで、当面は肩と腰の治療を続けるという判断になりました。

治療は週2、3回、最終的に6週間に渡って通い続けました。その結果「完治、後遺症なし」。

物損

バイクは見た目以上に相当なダメージ。修理も可能ながら残価よりも修理費のほうが高くなってしまうという見積り(20万円以上)になりました(最終的は廃車)。

休業

バイクがなくなり体も治療中、何よりもアカウントも一時停止されていたことから、ウーバーイーツの稼働が全くできなくなってしまいました。1ヶ月丸々の休業、及びリハビリ兼ねた再開に約半月、1.5ヶ月で30万円以上の収入減となりました。

過失割合

基本的に車両同士の交通事故において過失割合が0:100になることはほとんどありません。完全に止まっている状態でオカマを掘られた場合でもない限り0:100にはならず、自分が少しでも動いていたら最低限の過失は負うことになっています。

今回のケースの場合の交渉のスタートラインは15:85。この判断には既に公的に決められた?ものがあり、ネットでも情報が拾えますし、委任した弁護士が持っていた「なんちゃらハンドブック」にも書かれていました。

しかし、私は15すら認めたくない気持ちでした。何と言っても私は「対抗側から前方不注意のまま思いっきり突っ込まれた側」、その恐怖たるや何とも表現できません。何なら「危険運転致死傷罪」で刑事告訴すら考えていました。そこを交渉してもらい、過失割合のスタートラインをまず10:90としてもらいました。

しかし「10」が残っていると私にも相手方に対する補償が発生してしまいます。例えば私のバイクの修理代が20万として18万円を補償してもらったとしても、相手の車の修理代が100万円だとしたらその10%、10万円を私が負担しなければならなくなってしまいます。

これは何も修理代だけでなく他の項目でも同じ、これでは何の意味もなくなってしまいます。そこで、私の負担をなくすべく引き続き弁護士に交渉してもらい、最終的に

0:90

という決着になりました。すなわち、私の被害のみ、その90%を相手から補償してもらうということです。

着地点

最終的な交渉は治療が完了してから。そして結果は以下のようになりました。

治療費

交通事故は保険治療対象外です。今回のケースでは弁護士を通じてタクシー共済と病院側で最初に直接話し合ってもらい「私は治療に通うだけで、現場でお金は払わない」となりました。

最終的な治療費の総額は約9万円。過失割合0:90なのでなので補償されるのは9万円x90%=8.1万円となりました(自己負担分約9千円は最終的に相殺)。

物損費用

バイクの修理費(+装備品等も含む)です。ただし、何が何でも修理してその費用を補償してもらえるわけではありません。修理費と廃車にした際の残価を見比べ、その安いほうを前提に交渉されるのが普通です。

ここで問題になるのは

バイクを廃車にしても買い替え費用を丸々出してくれるわけではない

ということ。廃車するにしても、その時点の残価価値しか補償されません。「こちらの負担0で事故前の稼働可能な環境に戻せ!」と言いたいところですが、それは認めてもらえないのです。

私の場合、事故時点で相当な走行距離であったため、正規の残価は13~15万円程度という判断でした。対して修理代は20万円以上、普通に考えれば廃車です。

ただ、13~15万円(の90%)では買い替えどころか修理すらもできません。そこで弁護士に調整してもらい、最終的には「装備品も含めて20万円の90%として18万円」で決着しました。これは考えられるベストな決着だと思っています。

ただ、この額ではさすがに新車(原付二種)は買えないので、仕方なくバイク屋から程度のいい中古を格安で譲ってもらいました(それでも物損分の補償額単独で見れば赤字です)。

休業補償

バイクは廃車、しかも通院当初は痛みもあり、何より事故直後からアカウント停止となったため全く稼働できない状態でした。その時点から医者からのOKをもらえるまでの期間の休業補償を求めていましたが、弁護士が間に入っていても難航していたように感じます。

こういうときに個人事業主は苦労します。一番の問題は「何をもって売上とするか?」です。隙間時間の小遣い稼ぎ程度の収入は補償されない可能性が高いのです。

ただ私の場合は、既にウーバーイーツの収入が個人事業主における事業の一部となっており、一昨年、昨年ときっちり確定申告をしています。よってそれらの資料や今年の売上実績等もあるので、それを基にギリギリまで交渉してもらいました。

結果として、実損に対して満額の補償はされませんでしたが、最低限と思える程度の補償は出してもらえることになりました。これも弁護士が入っていなかったら難しい交渉だったと思います(リアルな額は伏せておきます)。

慰謝料

ここが弁護士が入ることでの最大のメリットです。計算式の基準の数字が全く異なります。こちらは完全に弁護士に任せていましたので、弁護士が「この数字で」というのを了承したまでです(こちらもリアルな数字は内緒)。

ザックリですが

物損 + 休業補償 + 慰謝料 – 自分の過失10% ≒ 80万円強

という着地点となりました。

ウーバーイーツのアカウントは?

事故を報告したことにより即日から一時的にアカウント停止となりました。実際、バイクが使えない状態であることから稼働もできないため、すぐに復活しても意味がありません。ただ、避けなければならないは「永久停止」、いわゆる

垢BAN

それを防ぐことに意識を集中しました。

事故から1、2日後、まずはウーバーイーツ側から問合せのメールが届いたので状況を説明。すると「別途、事故担当チームから電話がくるのでそこで説明を」という段取りになりました。

さらに数日後、電話が来たので、丁寧に事実を淡々と説明しました。

  • 私は100%被害者である
  • タクシー側と交渉し補償してもらう

その上で、たぶんこれが一番大事なことだと思ってしっかり意思表示しました。

ウーバーイーツの保険を使うつもりは一切ない

その結果、電話で話した数日後に無事に「アカウント復活のための準備まで整いました」との連絡がありました。その復活にあたっては「修理するのであればその見積書や領収書」or「バイクを変えるのであればその登録書類等」、それらの資料を提出、承認されてから再稼働、という段取りでした。

実際には中古のバイクの手配も完了し、治療が進み痛みも引いてきた3月頭から、医師の指示によりリハビリを兼ねてちょっとずつ再稼働をはじめました。

最後に

ウーバーイーツの業務中に事故を起こしたら垢BAN???

→ 少なくても被害者的な立場であれば、その後迅速に適切な対応をしていれば問題ない、と言えます。

ウーバーイーツの保険を使ったら永久垢BAN???

→ 使っていない私にその判断はできません。実際には使っても問題ないのかも知れません。ただ、とてもリスクを感じます。

今回は相手側も保険(共済)に加入しており、それで補償してもらえたのでウーバーイーツの保険を使わずに済みました。また、相手が無保険車でも私の任意保険で対応できたはずです。しかし「相手が無保険車」かつ「自分も業務用に使える任意保険に加入していなかった」場合にはどうなっていたのか???恐ろしいですね。

業務で使うということは「プロ」ということです。プロである以上、業務にも適用される任意保険の加入は必須です。業務用にも適用される保険を取り扱っている保険会社は限られていますので、まずはバイク屋に相談することをオススメします。

(業務用に適用できる保険のアフィリエイトがあればここにペタペタ貼ったのですが残念ながらないようなので、、、)

また、せっかく加入するのであればぜひとも弁護士特約」を付けて下さい。

事故の相手は素人とは限りません。タクシー共済のような百戦錬磨を相手にすることや、相手側が弁護士を使ってくる場合も十分考えらますのでこちらもプロを立てる必要があります。ちなみに、こちらが弁護士を立てて交渉すると受け取れる慰謝料が増額傾向にあることは明らかです。

しかも、自分で弁護士報酬を支払う必要もありません。タダ(実際には特約費用を先に支払っているものの、それはたかが知れている安価な額)で弁護士が使え、最終的に得られる額も増加する可能性が高い、そんなことから弁護士を利用することはとても意味があることだと感じました。