シニアの起業:シニアからでもできる?防災屋

2020年4月1日

防災屋とは

一般的にはあまり、いやほとんど、または全く馴染みがないと言っても過言ではない

防災屋

簡単に言えば消防設備点検(など)をする会社のことです。

ある程度の規模以上のマンションに住んでいる方なら年に1、2回、作業員が室内にまで入ってきて天井や押し入れの中をチェックすることに出くわす方もいるでしょうが、戸建てに住んでいる方だと一生接点がない可能性もあります。

この点検を行うための資格に関してはこちらに書いています。

消防設備点検の内容

そもそも消防設備点検は法律によって定められている義務です。

消防用設備等の点検基準、点検要領、点検票

https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/post-1.html

建物によって様々な消防設備があるのですが、それぞれの設備ごとに決められた要領に従って点検し良否判定をすることになっています。

単純に通路に置かれている消化器の点検ぐらいなら簡単なのですが、実際には建物ごとに様々な設備があります。煙探知器や熱探知器、防煙シャッター、排煙設備、自火報装置や自家発電設備など多岐に渡っています。

その設備の製造メーカーによって操作方法が異なっているため、それぞれの設備に対して正しい操作方法、知識と経験が求められます。

そして点検を行った後、その点検結果を建物のオーナーや管理者に報告。不具合などがあればその修理なども請け負うのが普通です。

報告を受けた建物のオーナー・管理者はその点検内容を報告書としてまとめ、所轄の消防署に提出しなければならないのですが、実際にはそこまでを防災屋が請け負っていることがほとんどだと思います。

起業は可能、だが下積みが必要

法律に基づく点検対象となっている建物は山ほどあります。しかしながら実際にはその需要に対して供給が追いついていない状況が長く続いている業界です。

需要が旺盛、かつ供給が不足、ということなら起業はしやすい市場ではあります。ただし、、、いきなり起業しても残念ながら仕事は入ってこない可能性が高いです。

この業界は、物件だけでなく設備メーカーとの繋がりも強いため、新規参入がなかなか難しい閉ざされたマーケットなのです。

設備メーカーごとに操作方法が異なる

ある一定規模以上の建物だと防災センター等の室内に大型の総合受信盤が設置されています。その受信盤にはいくつかのメーカーがありそれぞれの操作方法を把握している必要があります。

建物ごとに設備が異なる

消防設備はその建物に特化した形でネットワークが組まれているため同じものが2つとない世界です。その建物の設備の状況などは既に請け負っている会社が資料を作成・管理をしているため、そこが継続して点検を請け負うのが普通です。

業界内のネットワークが組まれている

それぞれの設備メーカーやマンションの管理会社ごとに点検を請け負う互助会的な組織が既に出来上がっており、外部から安易に新規参入できないような仕組みになっています。

私は過去に2棟、消防設備点検の義務が生じる物件を保有していましたのでもちろん点検も行っていました。

2棟ともに遠隔地の物件だったこともありその際は地元の管理会社に丸投げ。段取りから報告書を受けるまで全て管理会社がコントロールしており私と言えば請求書の処理ぐらいでした。

そもそも当時はまだ私自身も資格なし・知識なしだったので私が現地で立ち会う意味もなくお金さえ払えば全ての処理が終わるスキームになっていました。

自分では何も指示することなく、自動的に処理が進みお金で解決できてしまう業務ということは、そういうエコシステムの中で回っているということです。

点検に必要な道具を揃える必要がある

点検項目が多岐にわたるため、必要な道具もかなりの種類になります。そしてそれらは全てプロ用・業務用のものですのでそれなりの費用がかかります。

そしてそれらの道具を運ぶ車も必要でしょう。

これら全てを揃えるには費用的な負担も重いため、生半可な気持ちではできない商売です。

結論

要するに机上の計算、知識だけでは到底足りず

それなりの期間x件数の現場経験、さらに初期費用が必要である

という仕事です。

起業の王道ルート

まずは消防設備士乙6を取得する

今は人材不足ですので無資格で入れる会社もあるでしょうが、無資格よりは有資格のほうが入りやすいですし次のステップにも進みやすいと思います。他に活用できる資格を既に保有しているのであれば消防設備点検資格者に進んでもいいのですが、何もない場合は乙6を取っておきましょう。

点検可能な範囲を広げる

その勢いのまま消防設備点検資格者(第1種、第2種)も取る、または消防設備士甲4あたりを狙っていきましょう。

会社に潜り込む

社員でもアルバイトでも請負でも構わないのですが、まずはどこかの会社に入り現場経験を積みましょう。資格があればシニアと言えども採用されること自体はそれほど難しいものではないと思います。

実際私は第1種・第2種消防設備点検資格者を取得してすぐハロワに出向きアルバイトの検索。そこで見つけた1社に応募、翌週面接、その場で採用でした。

そこから約1年、週3で働いていましたがこれは自分で制限していたから。実際には週5でも働ける状態でした。

経験を積む

現場経験を積みながら横のつながりも広げていく必要があるでしょう。上記の互助会的な組織に顔を売っていくことも必要です。

そして起業

なのですが、、、正直、資格を取ることからはじめ経験を積んで起業するまでには相当の時間がかかってしまいます。それをシニアからはじめるのはあまり現実的ではないと感じます。

ですので、この職業の場合は再就職までに目線を下げておくだけでも十分意味があるではないかと思っています。

またはもう一歩だけ進んで潜り込んだ会社の外注、下請け、協力会社として仕事を請け負うことぐらいまでなら可能かと思います。