地方に住んで働くという選択肢

日本全体コロナ禍となってから地方に転職したい若者が増加というネタを最近よく目にするようになりました。
例えばこちらのような記事。
“地方に転職したい” 都市部の若者に意識広がる コロナ影響か
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200517/k10012433391000.html
この記事によると
このうち「地方への転職を希望する」と答えた人は36%と、ことし2月の調査と比べるとおよそ14ポイント多くなりました
との記載がありますがそもそも回答数が「360」、これに統計データとしての意味があるのか???ですが、私も思うところがあるのでちょっと書いてみました。
東京一極集中の是非
まず私自身のスタンスとしては
東京一極集中は是
と考えています。
基本的に選択と集中、競争力のある部分にはより注力して突き抜けさせることが結果として広く大きくメリットを享受できるという考えに立っています。
しかし同時に東京に一極集中しているからこそのデメリットも多々あることも周知の事実です。
そのデメリットが今回の新型コロナ問題によって一気にフィーチャーされているのが現状でしょう。
一極集中によるメリットやデメリットは今回割愛しますが、with コロナ、after コロナを意識するだけでなく、自然災害等のリスクヘッジと意味も含め、これからはある程度の分散も必要かと考えています。
例えば道州制・地方分権や、三権分立のそれぞれの中央機能を分散、それによって発生する競争による切磋琢磨を意識して大阪や名古屋、さらに福岡、仙台、札幌などに担ってもらうべきかと考えています。
テレワークの功罪
ちょっと前、それこそコロナ禍になる前なので昨年末ぐらいまでのイメージとしては
地方だと仕事がない、あっても低報酬だから東京で働く
というのが常識、普通の考えだったと思います。
定時にオフィスに出勤、決まった時間にみんなが集まって会議、残業、仲間で飲みに行く、終電やタクシーで帰る、、、
新型コロナ問題によってこんな今までの日常・常識が非日常・非常識になってしまいました。
今やテレビ番組ですらもテレワークがあたり前になってきています。
結局、今までのような長距離移動のような無駄なことをしなくても仕事はできる(業種もある)ということに多くの人が気づいてしまったのです。
そして、それに気づいたのは社員だけでなく会社もです。
もはや出勤させる必要すらないのであれば、都心の一等地に大きなオフィスを構えている必要もありませんし、社員全員に定期代を払う必要もないのです。
もっと言えば、これを機会にIT化に対応できない、結果を出せない人を見極めることも簡単にできるようになってしまいました。
何にせよ、これからは出勤しない、リモートで働くことも働き方のひとつとして定着することは間違いないでしょう。
となると、今後は地方住みであることがメリットになる可能性すらあります。
地方ってどこ?
そもそも東京の人が考える地方と、限界集落に近いところに住んでいる人の地方の認識には大きな差があるでしょう。
東京の人がイメージしている地方を例えてみると(あくまでも仮定)
- 最寄りの駅まで徒歩30分(約2.5km)のため駅まではバス利用
- 電車は1時間に3本
- 車通勤が普通のため飲みに行った帰りは運転代行
これに対して最初から地方に住んでいる人から見れば
- 駅まで行くバスがない
- 電車も1日数本、または既に廃線でバス
- 飲みに行く以前に普通のお店すら徒歩圏にはない
このぐらい大きなGAPがあるように感じます。
今は23区内に住んでいる私から見れば春日部の実家周辺エリアすら地方にも見えます。
ただ、最終学歴の学校のように「熊に注意」の看板がある、電車は1日8本、11月末に雪が降る、春日部から見てもそちらはもっともっと過酷な環境でした。
このように自分でも経験によって判断、価値観が変わっていくので、人それぞれイメージにGAPがあるのは間違いありません。
今回のネタに関しては、東京には新幹線や飛行機でしか行けない、人口5万~30万人ぐらいの地方の市部をイメージして書いています。
選択肢の多様化
少し前までの中堅都市の多くは、大都市圏のベットタウンという立ち位置がメインだったと思っています。
東京であれば半径30km圏よりさらに外、ラッキーな場合は座っていけるけどオフィスまで1時間以上かかる、そんな距離感が通える距離の限界と考える方が多かったと思います。
その地域で働くのではなく都心で働くことが前提、逆に地域で働く人の多くは地元出身の個人~小規模経営のビジネスに携わっている方が多いように感じます。
それが出勤しなくてもいいとなれば、逆にそんな中途半端な距離に住む必要がなくなります。
もっと自然豊かで家賃もタダみたいなところに住んでも構いませんし、勝手知ったる地元に住むことも可能になります。
限界集落などの山間部、ちょっと前までは主要産業が一次産業しかなかったようなエリアでさえ選択肢に入ってきます(最低限のインフラは必要だと思いますが)。
要するに
選択肢が劇的に増える
ということです。
新型コロナ問題をマイナスに捉えるだけでなく、第二の人生を歩む上でのきっかけになってもいいと思っています。