負動産の象徴、タワマンの未来

タワマンの寿命

もはや沿岸部だけでなく以前は山の中じゃね?ぐらいなエリアにもそびえ立っているタワーマンション。

そりゃ今の技術があれば50年どころか100年だってもつでしょう。実際、昭和47年ぐらいから建ちはじめた西新宿の高層ビル群だって全て健在です。ただ、西新宿ビル群はオフィス用途なので条件が異なります。

住居としてだと1976年に建築された与野ハウスが最初と言われています。

もうすぐ50年!

それでも現役で使えているのですから「もつ」という意味では大丈夫でしょう。

ただし、そのために適切な維持管理、すなわち相当な費用を投下して定期的なメンテナンスは必須です。古いタワマンともなればその維持管理費用も期間も莫大なものになると思われます。

しかし、そこまで継続的に費用を投下して維持管理を続けていても、やはり築50年より新築のほうが好まれることが普通でしょう。結局のところ古ければ古いほど費用対効果は悪くなっていくものと思われます。

実際、この与野ハウスも近隣相場と比較すると相当安く売買されているようです。

住居としての使い勝手

私は高層ビルの中で東日本大震災を体験しています。

オフィスは44Fでしたがエレベータは当然止まっていました。そこから地上までの階段の上り下り(下って上ってまた下りました)、それはもう苦行でしかありませんでした。

停電があっても大きな建物には自家発電設備もあったりします。しかし、すぐには稼働しませんし電気は供給されてもエレベータは点検が終わるまで動かないのが普通です。

さらに、一度止まった電気やガス、水道や通信網などのライフラインはすぐには復旧しません。

ライフラインが止まると途端に不便極まりないハコモノになってしまう、それがタワマンの現実です。

マンションの資産価値

以前にも書きましたが、買ったら最後、自分で自由には動かせないのが読んで字の如くの不動(の資)産です。

  • 持っているだけでもステータス
  • 資産価値もある
  • 自分は成功者

と信じ続けられる人がどれだけいるのでしょうか?

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今回の新型コロナウイルス問題をきっかけに収入が大きく減り、住宅ローンが払えなくなる人も出てくるでしょう。

当座の資金は国や自治体の政策によってやりくりできるかも知れませんが、本来はあと数10年後に気づくはずだった現実を今知ってしまったラッキー(?アンラッキーかな)な人たちもこれからどんどん出てくると思われます。

その現実とは

タワマンには資産価値がない!(思っていたほどの)

何をもって「資産価値か?」という問題もありますが、まずは

売りたいときに売りたい価格で売れるか?

基本的にビジネスの世界での売買価格は需要と供給で決まります。

人気のエリアだから需要がある!と思っていたのかも知れませんが、、、そんな需要のあるエリアの物件を手放すあなたの理由はなんですか?

もはや手放したい人はあなただけではなくなってしまっているのです。その状況はレッドオーシャンであるといえます。

手元資金に余裕のある富裕層は、このタイミングでこぞって買いに走ってきていると思います。ただ、それはレッドオーシャンで供給過多=価格が安いからです。

基本的にタワマンの価格は何らかの計算式による積み上げ式にはなっておらず、単なる需要と供給だけで成立してきたもののため、市況が悪化しているときには目も当てられない状況になってしまいます。

そもそも資産価値とは?

上記したように需要と供給の着地点が価格でもあることも事実ですが、それは

実需(実際の住居としての需要、すなわちマイホーム用途)

の場合だけです。

そのエリア内の物件を欲しい人が100人いるのに供給は10件しかなければそりゃ高くなるでしょう。しかし今の市況では実需が活発なわけがなく、、、、つまりそういうことです。

この実需は風みたいなところもあります。それの反対側にあるのが

事業用、投資用

です。

もちろん、こちらの用途でもやはり人気のエリアであれば高くなり過疎地であれば安くなるのですが、それ以外にも路線価公示価格と言った公的機関からの目安となる数字が定期的に発表されています。

これらの数字は土地に対してのみですが、建物に対してももちろん計算式があります。

建物に関してはその構造(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等)、そして築年数である程度の資産価値が計算できるのです。

そして、エリアによって家賃相場的な数字があります。

それの数字の組合せによって利回りが計算され、売買が成立しているようなマーケットです。

なので、売りたいときに思ってた価格で売れないというショックは実需ほどではないと思います。ただ、それでも今の市況ではそれほど動きがないのは同じですのでやはり暴落していますけどね。

経年劣化しない土地に対して建物は

市況によって路線価や公示価格も上がったり下がったりすることはあります。ただ、人工物である建物は劣化するだけですので基本的に

下がるのみ

です。

あくまでも法律によって定められた税金計算用であり実際とは異なるものの法定耐用年数というひとつの基準があります。

それによれば木造は22年、鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造は47年で、さらに付随設備は15年で価値が0になるのです。

人工物が劣化することは誰にでも手にとるようにわかっているはずです。

我々世代であれば熱狂したであろうスーパーカー。ロータスヨーロッパやフェラーリディノ、ランボルギーニミウラ、、、コレクション的な人気からいまだに高額で取引されているとしても実用的でないのは明らかです。

いくら30年前に大人気で高額で取引されていたとしても、それが30年後に同じ、またはそれ以上の価値がある人工物などほとんどないのが普通です。

なのにそれが不動産になると

「ローン完済後には資産になりますよ」「年金の代わりに」

そんな言葉に踊らされてしまう意味がわかりません。

今、家賃10万円の部屋が30年後に何もしないで10万円の家賃を維持できるわけがないのです。何もしなかったら維持どころか値下げしても誰からも見向きもさらない物件になるのがオチです。

だからこそ、修繕積立金などを集めておき定期的に大規模修繕をして何とか機能や価値を維持しているのです。

重負担の修繕積立金

修繕積立金を使って定期的に維持管理、これがオーナーにとっては相当重い負担です。

特にタワマンの場合は全ての費用が高くなると思われます。

エレベータも巨大でしょうしライフライン、例えば水道管ひとつにしても何倍もの長さになるでしょう。

外壁修繕だって地上から足場を組んで、なんてことはできないため「屋上からゴンドラなどを使って」ということになると思いますがそれだと一定単位時間あたりでできる作業量にも限界があることでしょう。

要するに全ての作業に時間がかかる=工事期間が長い=高い、そんな流れになるのです。

物件購入時には「アレっ?修繕積立金って意外に安いじゃん、よかった」と感じるようなものは将来(20年後以降)

積立金が足りないので1戸あたり100万円の追加徴収となります

なんてことが発生する可能性が十分考えられます。

区分所有の限界

土地に対しては1/何100~何1000の所有権しか持っておらず、自己使用の建物部分だけの「区分所有権」であるマンション。その建物全体に対する判断は総会(集会)の議決によってしか決められません。

極端な例では

古くなかったから立て直そう

建て替えの決議では4/5の賛成がないとできないのが今の法律です。

特にタワマンのように狭い土地に大量の住居がある場合、自分の持ち物なのに自分で何も決められないことが(相対的に)多すぎるのです。

タワマンの将来は?

未来のことは誰にもわかりません。

実は新型コロナウイルスは地上100m以上では生息できない、なんてことにでもなったらタワマン上層階がバカ売れすることになるでしょう。

タワマンとは異なるものの似たような前例は既にあります。それは

越後湯沢地区のリゾートマンション

私をスキーに連れてって♪

ホイチョイ世代の我々であればピンと来ますよね。

あの時代に乱立したリゾマン、今や10万円でもなかなか売れない状態です。

単に価格が10万円ならすぐ売れるのでしょうけどそれ以外の負の遺産

  • 毎月の高額な修繕積立金
  • 売主である現(元)オーナーの管理費・修繕積立金の滞納

なども含めて引き継がなければならないため、なかなか売買が成立しないのが現状です。

一部の物件ではあえて「民泊OK」としたことにより急に利回りがよくなり売買も活発になったところもあるようですが、それとて今回の新型コロナ問題で全て吹っ飛んでしまいました。

未来はいつ何が起こりどんな状況になるのかは神のみぞ知ることです。さらにメリット・デメリットの判断も人それぞれなので他人がとやかく言う話しではありません。ただ今だけを見て「人気がだから」とか「資産性が」とかではなく、自分なりの根拠をしっかり持つべきと考えます。