宿泊税の使途への疑問と不公平な徴税を正すため、北海道議会へ「請願」の提出を探ってみた

2026年4月度から、私の物件の所在地である北海道及び旭川市、さらに北海道の多くの基礎自治体において道と自治体の二重となる宿泊税が導入された。私自身も特別徴収義務者として4月分から納税の実務を行っている。

そもそも「全ての増税に反対」の立場である私、当然ながら宿泊税にも強い嫌悪感を抱いていたし、何度となく北海道や旭川市に苦言を呈してきた。私が反対する最大の理由は

  • 事業者の利益を安易にピンハネ
  • そもそも徴税が不公平
  • 税が先に決まり使途はあとから考えるという必要性の低さ
  • どうせろくな使途にならない(既得権益作り、費用対効果ゼロ~マイナス等)

というもの。

行政の言い分としては「代わりに預かっているだけで利益ではない」と言うだろうが、宿泊者からすれば、宿泊料金の一部としてしか見られていない。なので本来であれば、事業者の「売上」として得られるはずだったもの。その売上が右から左へ移動するということは正に「利益」そのものである。

そんな宿泊税、実際に制度が動き始めて早くも直面したのが、その税金の「使途」に対する強い違和感と危機感である。

宿泊税の使途は行政評価条例に則しているのか?「取って配るなら最初から取るな」

そもそも、北海道が宿泊税を導入した目的は

「観光の付加価値の向上、観光に係るサービス及び旅行者を受け入れるための体制の充実強化並びに災害等の観光分野における危機に対応するための取組の強化その他の地域社会及び北海道経済の発展に資する観光の振興を図る施策に要する費用に充てること」

しかし、まだ宿泊税を徴収してから3か月しか経っていないというのに、道では早くもこの目的にはそぐわないバラマキがはじまっている。

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「親子ツアー」のどこが、この目的に則していると言えるのか?

これらの事業が、道の定める事務事業評価や行政評価条例の本来の趣旨に則しているとは到底思えない。

現場でリスクを取って事業を営み、宿泊者から預かった大切なお金を税として納めている身からすれば、効果検証も曖昧なまま特定の事業へばらまくように使途が先行している現状には強い違和感を抱かざるを得ない。

「コストをかけてまで徴収しているくせに、それを安易に配るぐらいなら最初から取るな」

と言いたいのが偽らざる本音である。

この不透明な予算執行は厳しく問われるべきと考え、既に行政に問い合わせを行ったところである。

不法業者・脱税の放置という不公平な構造の排除

もう一つの重大な問題は、宿泊税制度が抱える深刻な不公平性である。

海外の無登録予約サイトなどを悪用して1円も税金を払わない不法業者や、見かけ上は正規の顔をしながらルールやモラルをまともに守らない不届きな業者が野放しにされているのである。

この不公平な構造の是正を求めて、私は以前に道議会及び旭川市議会へ陳情書を提出している。しかし、道議会の取り決め上、陳情は原則として議員への回覧で終わってしまい、実質的な議論には至っていないと思われる(逆に旭川市議会においては、委員会に付託はされている)。

請願の提出に向けた紹介議員への打診

形骸化している行政評価と不透明な予算使途の正当性、そして海外地下サイト等を悪用する不法・脱税業者の徹底的な排除——。

この2つの重大な問題を形式的な回覧ではなく、正式な審査対象となる「請願」として道議会のテーブルに乗せ、きちんと議論してもらいたいと考えた。ただ、請願は個人の意志だけで勝手に提出できるものではなく、議会の仕組み上、必ず「紹介議員」の署名・捺印が必要となる。

そこで今回、数名の道議会議員に直接連絡し、以下のような趣旨に賛同と協力をいただけないか、紹介議員になってくれないか、との打診をしてみた(メールで送っただけ)。

宿泊税の適切な運用と管理に関する請願書(案)

【請願の趣旨】
北海道宿泊税制度の信頼性担保および適正な予算執行に向け、次の3点を要望します。

1.「海外無登録予約サイト」等を悪用した不法業者および脱税事業者の能動的摘発・排除

・課税の前提となる「徴税の公平性」を確保するため、日本の法律の枠外にある海外の無登録旅行予約サイト(外貨決済サイト)やSNS、独自アプリ等を利用して宿泊税を免れる不法(無許可・無届出)業者、および正規の届出・許可を得ていながら法令や納税義務を無視する不適正な事業者に対し、関係部局の縦割りを排した全庁的な能動的摘発・排除体制を速やかに構築すること。具体的には、クローリング(自動巡回)等を用いてこれら海外直系の地下サイトに掲載されている道内物件を徹底的にあぶり出し、実際の登録情報と照合した上で、警察、出入国在留管理庁、税務当局等と強固に連携してその退路を断つこと。

2.北海道行政評価条例の厳格適用と、全事業への客観的成果指標(KPI)の事前設定

・すでに募集が始まっている事業や基金からの支出を含め、宿泊税を財源とする全ての事業に対し、「北海道行政評価条例」の趣旨を名実ともに厳格に適用すること。
・効果の薄いバラマキを防ぐため、各事業の予算執行前に「観光客の増加数」「地域経済への波及効果」など、客観的に測定可能な数値目標(KPI)を明確に設定し、議会および公に明示すること。

3.独立した「宿泊税 事務事業評価シート」の作成および結果の全面公表

・宿泊税を財源とした事業や基金の運用実績については、速やかに客観的な事後評価を行い、他の一般財源の事業と混同させない宿泊税単独の「事務事業評価シート」を事業ごとに作成して公式ウェブサイト等で公表すること。
・評価の結果、費用対効果が著しく低いと認められた事業については、翌年度以降の予算編成において速やかに見直しや撤廃を行うガバナンス体制を確立すること。

【請願の理由】

1.脱税・不法業者の放置による不公平性の固定化を是正する必要があるため

・道内において、行政の管理下にない無許可の違法・不法業者、および正規の許可等がありながら宿泊税の徴収・納付義務を果たさず脱税行為を働いている悪質な事業者が多数存在するため。
・これらルールを無視する事業者が行政の監視外で地域トラブル(ゴミ・騒音等)を引き起こし、法的責任を負わずに利益を得ている一方、法令を厳格に遵守する適正な事業者のみが規制と税負担を負い、著しい競争条件の不均衡が生じているため。
・請願者の確認に対し、道庁関係部局の連携は限定的であり、オンライン監視等の能動的な抽出スキームや、他部局・関係機関が一体となった実効性ある排除体制が欠如していることが浮き彫りとなったため。
・請願者が宿泊施設を運営する旭川市においては、この構造的課題を重く受け止め、すでに市議会において委員会付託のうえ公式な審議が行われているため。本税制を所管する道庁において、早期に実効性ある対策を講じる必要があるため。
・請願者は道外在住(東京都)であるが、道内で正規に宿泊事業を運営し、宿泊税の特別徴収義務を負う直接の当事者として、税制の不公平性を看過できないため。

2.北海道行政評価条例の厳格適用による透明性の確保必要性があるため

・宿泊税を財源とする事業や基金の運用に関し、法定外目的税である宿泊税の本来の趣旨に合致しているか、客観的な検証が外部から行えない状態にあるため。
・「北海道行政評価条例」が形骸化することを防ぎ、効果/効率的な行政運営を行う観点から、事業ごとに具体的かつ測定可能なKPIを設定し、実施後の評価結果を広く公表するガバナンス体制の構築が不可欠であるため。

果たして議員が有権者でもない人間の声に耳を傾けるのか?

正直なところ、かなり難しく何ら反応もないだろうと頭では理解している。それでも、正規事業者であるからこそ、一方的に徴税を強制されておきながら納得のいかない使途や不公平な現状をこのまま見過ごすわけにはいかない。

北海道の観光の未来と公正な税制を守るため、引き続きしっかりと向き合い、行動を重ねていく所存である。

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